
日本が誇る美しい彫金!象嵌で装飾された家具が美しい
日本の家具のなかには芸術といっても良いレベルのものがたくさんあります。そのなかでも至高といわれることが多いのは、見事に象嵌で装飾されたものです。これは模様のような意匠を刻んだものであり、その対象は木材から金属まで幅広くなっています。昔は牙などに刻むことも多く、いずれにしても模様の上にさらに他の材料を埋め込んでいくこともポイントです。埋め込むのは金や銀が代表的ですが、その他の素材であっても問題はありません。かつては甲冑や日本刀など戦い道具にも多く施されていましたが、時代の流れとともに家具や重箱などに使用される割合が増えていきました。
時代は素材
素材が有している美しさと漆などで表現される艶が混ぜ合わさった家具は、美しいだけでなく重厚なテイストを纏っています。素材の相乗効果によって、単独では成し得なかった美麗な力強さが出ることも忘れてはいけません。具体的な製造方法は地域や流派によってさまざまですが、京都を中心に発展してきた歴史があり、素地を磨いてから象嵌の場所に微細な溝を刻んでいくのが一般的です。職人による創意工夫がぞんぶんに盛り込まれて、時間をかけて丹精に仕上げられていきます。そのため、大量生産には向いておらず値段も安くはありませんが、他の家具にはないオリジナリティの高さが大きな魅力です。
アンティークもまたよき
また、アンティークとして扱われている家具にも、象嵌で装飾されているものは少なくありません。古くなった素材がデメリットではなく、時代が過ぎても色あせない気品を表すことでメリットとして作用しています。埋め込まれた金属が高級感を演出することにより、置いてある空間の品位がワンランク上がることを実感できるでしょう。書斎のような落ち着いた場所に似合いますが、リビングやダイニングに置いても不自然なことはありません。さまざまなタイプが存在しますし、オーダーメイドを受け付けているところもあるので、置き場所を想定してから注文することが大事です。