
七宝焼の七宝ってどういう意味?実は仏教と関係性あり!
七宝焼(しっぽうやき)は、金属工芸の一種で金属を素地とした焼き物で知られています。その歴史をたどってみると、技法の起源は紀元前のエジプト時代に遡るのです。古代エジプトを発祥とする七宝焼の技法は、他の文化と同じでシルクロードを経て中国に伝来することとなります。中国を経て飛鳥時代頃、日本にその技法が伝わったと言われています。仏教の伝来と同じ経路をたどっているのです。
悠久の歴史
明治時代になると、人気に押される形でその技術も飛躍的に発展することになります。全国で一時広がり輸出されると、高い評価を受ける日本の伝統的工芸となったのです。 七宝とは、仏教の用語で七つの宝物を指す言葉となります。金・銀・瑠璃・玻瓈・硨磲・赤珠・碼碯という七つの宝物は、まさしく富裕や繁栄、地位の高さの象徴として珍重された金属です。
美しさの象徴
「七宝のように美しいということから名づけられた「七宝焼」も、「七宝」に由来しており銅・銀などを素地としてガラスの釉で模様をつくり高温で焼く手法がとられています。七宝焼の文様は、多くの建具などの装飾にも取り入れられ、職人は研鑽を積むことによって技術を習得できる技法です。伝統を残す苦しみをも表現しています。太古の時代に始まった七宝焼の手法は、日本の伝統工芸に大きな影響を及ぼすこととなりました。 栄華を誇るだけでは、技術の伝承はできず滅んでしまうという仏教の教えのとおり多くの職人が、技を競い伝統の手法を繋いで残してきたのです。有名な職人が創作した作品は共箱がつけられ、素晴らしい作品だと求められ高額な取引がされることになります。若い職人たちは、先人の教えを守り素晴らしい技巧を研鑽して作り上げることになったのです。
活かされる匠の技
職人の手仕事で紡がれてきた金糸や銀糸・着物や帯にもこの手法が深く取り入れられています。陶工によって極めの技でつくられた茶の湯のお茶碗・蓋置や水差しなどにもこの手法は色濃く反映されているのです。最近では、モダンなパッケージデザイン・グラフィックデザインにもこの手法を取り入れるものがあらわれているのです。